或る馬爾代夫での一日、其参

或る馬爾代夫での一日、其参

3時、お昼ご飯も食べ終わりまたうとうとしながら部屋に戻ってきてみると散乱していた部屋がいつのまにか掃除されていてシーツも取り替えベットメイクも施し直されタオルやバスローブ、ボディソープやシャンプー、それにリンスシャンプーまで補充されていて泊まりたての頃を思いださせます。ちょっと新鮮な気持ちで鼻を通りぬけていくアジアンスパのいい香りもこころなしか元通りになった気がします。
午後の筆者はベットでガッツリ寝るのではなくて、バルコニーでまったりしながらうとうと…って感じの過ごし方をしていたので変わらずそうしようとしましたが、この日の日差しは筆者の身体を包み込むのは難しかったらしくすにヒリヒリしてきてやむを得ず撤退…
でも他にも場所があるから大丈夫。誰の目にもとまらないであろうとっておきの場所が、その場所はコテージと島を結ぶ桟橋から歩いてすぐのビーチの奥にあります。バーや他の客室とは少し離れていて水上コテージの人達はカートで通りすぎてしまい、島の方の人達はそもそも用事がないので来ません。そんなところを筆者が見つけたのはラッキーとしか言いようがありません。インド洋の絶海に浮ぶまさに真珠と揶揄されるに等しい島々の中のうちの一つ、どこまでも続く蒼い空とそれを反射する鏡のような海。地平線をみると両方が溶けて交わっているかのような錯覚を覚えます。手前にめを向けると太陽の陽に焼け焦がされたような白が一面に広がってその白を手にとると実際熱く、この考えも悪くないものだなと思いました。ヤシの木の天然パラソルからこぼれる木漏れ日、これくらいやわらかいとついウトウトしてしまいます。さざ波から送られてくる風がハンモックも左右にゆらします。肝心のハンモックは麻ベースで作られていて風にゆらされていると少しきしんだ音がそれを物語っています。

5時、数時間ハンモックにゆらされているとふいにプールにいきたくなりカートを呼んでプールに行くことにしました。普段はプールにはあまり縁がないのですが最後にプールバーをもう一回くらい経験したいなと思ってのことです。ロビー横に隣接されているプールからはチェックインしたらしき家族が伺えます。ここでの滞在を思いっきり楽しんでねと心の中ででエールを送りました。プールではお酒片手にはしゃいでいる若者たちがいて、ガラにもなく筆者もはしゃぎたくなってきました。何杯か嗜みテンションがあがっていると空模様が急に怪しくなり雨特有の匂いがしてきました。
16時、南国特有のスコールがプールの中の筆者を襲っても動じませんでした。スコールは大体短時間で止むし、プールのなかで水びたしになっても困らなかったです。そのためなのかプールの中の皆さんはあがろうとせずに雨が止むのを待っていました。猛烈なスコールが過ぎ去るとまた暑さが戻ってきました。それに乗じて筆者はプールにをあがりそそくさと部屋に帰りました。
18時30分頃、スコールのあとは何事もなかったように燃え盛る夕陽があらわれます。
海にそびえ立つブランコも夕焼け色に染まっています。それを横目にモルディブでの最後の晩餐に向かいます。楽しかったはずなのにやけに感傷的な余韻に思い悩ませられます。夕食へはカートではなくシドニーから旅行にきたお隣のオーストラリア人老夫婦と雑談をしながら向かいました。英語で話しているはずなのに今はあまりする事のない近所の人達と話しているようで少し懐かしい気分になりました。

もうすっかりお馴染みとなったsunsetに到着、筆者の夕食のメニューはカレーメイン。他の洋食やインド料理もありましたがそれでもカレーがメイン。それほどまでにここのカレーは美味しいのです、ここのカレーは毎日種類が微妙に変わって毎日たべても飽きません。ここのリゾートに泊まらなずともモルディブのカレーはどれも絶品、本場に負けないくらいの美味しさが堪能できます。
カレーのお供はナンとチャパティ、いつもはパリパリでいっぱい食べれるチャパティを選ぶのですが今日は最終日、贅沢にナンをチョイス。このなんも絶品でアツアツモチモチ、微かに小麦の香りも漂ってます。カレーも食べますがローストビーフやデザートも頂きます。最後はココナッツケーキとコーヒーで〆ます。さてそうしているうちに島を去る時がきてしまいました。チェックアウトをすませ空港行の船に乗り込んで闇の中に出発。船のエンジンが動きだして陸から段々と離れていきます。闇夜に紛れた船は海にでてぐんぐん速度をあげていきます。他の船の灯りが筆者達を導いてくれるようです。20分くらい走って陸にあがるとひっそりとした空港が目の前に現れました。着いた時と違って空港の出発ロビーはひっそりとしていました。出国検査も驚くほど簡単に終わりこころなしかラウンジにも活力がありません。モルディブを去るシンガポール航空機に乗り込む前に筆者は心の中でこの国に最大現の感謝をしました。機体に入ると離陸前に寝落ちしてしまったようです。次回、シンガポール編乞うご期待。

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