スリに合わないためのヒント(イタリア編)

スリに合わないためのヒント(イタリア編)

しっかり気を付けましょう!イタリア犯罪発生状況

2016年のイタリア内務省の統計によると犯罪認知件数は約250万件であり,前年と比較すると,7.99%減少しました。しかし,スリが約16万件(前年比6.39%減),ひったくりが約1.7万件(前年比6.22%減)と多数発生していることから,イタリア滞在中これらの犯罪に対して用心と予防が必要です。
 ローマ,ミラノ,フィレンツェ,ナポリ等の観光地における日本人観光客等の犯罪被害は依然として多く,置き引きやひったくり,スリをはじめとして,警察官になりすました外国人が,偽札や違法薬物の捜査等と称し,所持品検査を装い,現金やクレジットカードを窃取する事件等も相次いで発生しています。

注意すべき場所 ①買い物中

洋服や靴の試着中に,傍らに置いたバッグを盗まれるケースも多く見受けられます。店員がいても注意が必要です。
混雑した市場やのみの市などは特に気を付けましょう。

注意すべき場所 ②レストラン

食事中にバッグを背もたれに掛けたり、足元や隣の席に置いたりするのは,グループであっても禁物です。上着やコートのポケットに貴重品を入れたままコートかけに掛ける,或いはセルフサービスやビュッフェ等では,座席に貴重品を置いたまま食事を取りに行くなどは厳に避けるべきです。
また,ホテル内レストランにおいても,油断はできません。友人1人に貴重品を預け,トイレや食事を取りに行っている間に,友人が後方から声をかけられ振り向いた瞬間,他の犯人により荷物を持ち去られるケースも多くあります。

注意すべき場所 ③ホテル

有名ホテルといえども,ロビーや廊下は屋外と同じです。誰でもが入れる公共の場所という意識を持ちましょう。
チェックインやチェックアウトの際に足元やカウンターに置いたバッグ等を置き引きされるケースは後を絶ちません。また,部屋の中も決して安全とは言い切れません。誰かがドアをノックしても,相手が誰であるかを確認するまでは決してドアを開けないようにしましょう。

注意すべき場所 ④空港・駅

空港や駅は旅行者が多いため,彼らを狙う人物が,両替所付近や荷物の引き取り所等にたむろして,スリや置き引きの機会を狙っています。
●ミラノの注意スポット マルペンサ空港には特に注意。

注意すべき場所 ⑤地下鉄・バス

地下鉄やバスなどの公共交通機関は、スリに一番合いやすい場所です。
地下鉄に乗り込む際に,後ろから子供達が押し込む様に電車に乗り,その際にポケットから財布等をスリ取る事件も発生しています。また,赤ん坊を抱いた女性が近寄ってきて,スリにあう事件も発生しています。さらに,カッターでバッグを切り,中の貴重品だけを盗るケースもあります。混雑している車内,特にドア付近が危険です。混み合っている車両は避け,止むを得ず車内が混み合っている車両に乗車した場合には,必ず手荷物を自分の前に抱え,注意しましょう。

●ローマの注意スポット
テルミニ駅及び地下鉄車内・駅構内,空港等での貴重品の盗難が多発しています。被害が多く報告されているのは,テルミニ駅,レプッブリカ駅,バルベリーニ駅など,利用者の多い地下鉄駅だけでなく,バスやトラム(路面電車)の車内及びテルミニ駅とフィウミチーノ空港を結ぶレオナルド・エクスプレスの車内などです。
●ミラノの注意スポット   ミラノ中央駅,カドルナ駅

注意すべき場所 ⑥観光地 (路上)

観光地では色々な犯罪が発生しています。手口別に確認していきましょう。

<集団スリ>
赤ん坊を抱いた女性や浮浪者風の子供達が近づき,金品を抜き取る手口が多いです。手を差し出しお金をくれと言いながら近寄り,相手の注意を赤ん坊や手に集中させ,その本人及び第三者から見えない角度からバッグ内に手を差し込み,貴重品をスリ取る事件も発生しています。
●ローマの注意スポット
被害が多く報告されているのは,バチカンのサンピエトロ寺院,スペイン広場,コロッセオ,トレビの泉,バルベリーニ広場,真実の口周辺です。観光地近くの路上で,見知らぬグループに囲まれて貴重品を盗まれたケース,写真撮影に集中している間にバッグ等から貴重品を盗まれるケースがあります。
●ミラノの注意スポット
ドゥオーモ周辺,
●フィレンツェの注意スポット
ヴェッキオ橋やシニョーリア広場,ドゥオーモ周辺

<引ったくり>
オートバイに乗った2人組による引ったくりは,強引に犯行を行うため,被害者は大怪我をする場合があるので要注意です。歩行中に背後から,バッグなどを奪い取ります。ローマ市内でも散見される他,特にナポリを中心とした南イタリアで多く発生しています。歩行中は車道側ではなく歩道側に持つ,バスや車に乗降する際はバッグを抱える等の注意が必要です。

<睡眠薬強盗>
英語や日本語を話し,外国人旅行者を装うなどして親しげに近づいてくる者を信頼するのは禁物です。意気投合して一緒にバールへ行き,出された飲み物を飲んだらたちまち意識を失い,気づいた時は病院のベッドで貴重品は全て無くなっていた,という事例が発生しています。また,目が覚めたら怪我をしていたという場合もあり,特に注意が必要です。

<偽警官>
警察を名乗る人間が,警察手帳らしきものを見せ、言葉たくみに、財布を確認させ、おかねを抜き取ります。

注意すべき場所 ⑦列車内

コンパートメントで荷物棚に鞄を載せたまま眠ってしまったり,座席に荷物を置いたままトイレに立っている間に,置き引きが発生しています。
ヨーロッパを安く移動する場合は寝台列車を使う旅行者も多いですが、枕元に貴重品袋を置き,目が覚めたら無くなっていたという例もあります。荷物を運ぶのを手伝う、声をかける等、気をそらせておいて、手荷物から貴重品を抜き取る事案も発生しています。

対策は?

個人で出来る防犯対策は次のとおりです。
○貴重品を携行する場合は身につけて(洋服のボタンやファスナー等の付いた内ポケット,首から下げるタイプ等の貴重品バッグ等を利用)携行する。なお,多額の現金や貴重品は必要な時以外,携行しないようにする。また,ホテル客室のセーフティーボックスは,高級ホテルであっても用心する(盗難に遭う可能性を考慮する)。
○外出する際は,できる限り複数で行動する。夜間外出や,日中であってもひと気のない場所への立ち入りは避ける。特に女性の独り歩きはしない。
○バッグはできるだけ自分の身体の前で手を添えるようにして持つ(常に自分の管理下に置く)。特にリュック等の背負うタイプのバッグは,人込みの中では,背負わずに必ず前に抱えて持ち歩く。
○親しげに近付いてくる人物には十分注意する。
○売り子から呼びかけられても近づかない。
○旅先で知り合った人から勧められた飲食物は絶対に口にしない。
○混雑した電車やバスの利用は極力避ける。
○列車に乗る際は,荷物は目の届く範囲で,できるだけ座席のそばまで持ち込むようにする。
○服装の乱れた若者や酩酊状態にある者には近寄らない。
○車を利用する際は,駐車中も運転中も車内の目に付くところに,荷物を置かず,座席の下かトランクに入れるようにする。
○日本と異なる安全環境の違いに常に自覚を持って行動し,自分の周囲に注意を払う。
○タクシーを利用する際は,悪質な運転手もいるので,いわゆる流しのタクシーはできるだけ利用しない(ラジオ・タクシー(電話で呼び出す無線タクシー)は問題が少ない)。空港からのタクシーは,インフォメーションで事前に料金を確認する。

考察

荒っぽい犯罪も多そうな国ですね。混雑した電車やバスの利用は極力避ける、等、対策?としては難しいものもありますが、貴重品を「取れそうだ」と思わせる場所に持たない、というのが大事に思えました。
多額の現金を持ち歩かない事で、小さいバッグで観光が出来ます。小さいバッグが、貴重品を持っていない証拠になるといいな、と思いました。
リュック等の背負うタイプのバッグは前に抱える、等は、リュックの価値がない気もしますが、よく言われる対策ですね。リュックへの過剰な安心感を持ちがちな我々への大切なアドバイスに感じました。
荷物は小さく。持つときは体の前に。大きな荷物から小さなバッグ絶対に目を離さない。 
気を使いながらの観光は疲れますので、やはり、小さいバッグを見えない場所に持ち歩くのが一番の安全策かな、と思いました。

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